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家賃交渉はできますか?札幌の不動産屋が、通る場合と通らない場合を話します

2026/9/26

家賃交渉はできます。ただし、通る部屋と通らない部屋が、最初から分かれています。

理由はひとつです。
家賃を決めているのは不動産屋ではなく、オーナーさんだからです。 わたしたちは間に立って伝える役で、値下げの権限は持っていません。だから「交渉が上手かどうか」より、その部屋がいま値下げできる状況にあるかどうかで、ほとんど決まります。

みなさま、こんにちは。
札幌・琴似の不動産屋「スマイルール」代表のゆりんごです🌷

「家賃って、交渉していいものなんですか?」
内見のあと、少し言いにくそうに聞かれることがあります。

言いにくいのは、よく分かります。図々しいと思われたくない、という気持ちですよね。

正直に言うと、聞くこと自体で不利になることは、まずありません。 ただ、聞き方と、聞くタイミングで結果は変わります。


そもそも、家賃は誰が決めていますか?

オーナーさんです。不動産屋ではありません。

ここが分かると、見え方が変わります。

登場人物

役割

オーナーさん(貸主)

家賃を決める人。下げる判断をする人

管理会社

募集条件を預かり、オーナーさんに相談する

わたしたち(仲介)

お客さまの希望を、管理会社経由で伝える

お客さま

条件を提示する側

つまり、わたしが「いいですよ」と言えるものではありません。お預かりして、聞いて、返ってきた答えをそのままお伝えするのが仕事です。だから、「交渉に強い不動産屋」という言い方には、あまり意味がありません。 大事なのは、その部屋の事情を知っているかどうかです。


どんな部屋なら通りやすいですか?

空室の期間が長い部屋です。ここがいちばん大きいです。

オーナーさんにとって、空室は毎月まるごと収入がゼロの状態です。1か月空けば、その1か月分がそのまま消えます。

家賃5万円の部屋で考えてみます。

判断

1年間の家賃収入

5万円のまま、あと3か月空室が続く

45万円

3千円下げて4万7千円で、いま決まる

56万4千円

下げたほうが多く残ります。 だから、空室が長い部屋ほど話が進みやすいのです。

通りやすい部屋の特徴を並べます。

  • 3か月以上、募集が出ている部屋

  • 同じ建物に空室が複数ある

  • 繁忙期を逃した部屋(3月末に残っている部屋は、特にそうです)

  • 設備が少し古く、近隣の相場より割高に見える部屋

反対に、募集が出たばかりの部屋や、問い合わせが重なっている部屋は通りません。 下げなくても決まるからです。

▶ 築年数は何年までなら大丈夫ですか。古い物件で見るところ


札幌では、いつが交渉しやすいですか?

5月から8月。そして11月から12月です。❄️

札幌の賃貸には、はっきりした波があります。

時期

動き

交渉のしやすさ

1〜4月

進学・転勤で最も混む

ほぼ通りません

5〜8月

動きが落ち着く

通りやすい時期

9〜10月

秋の転勤で少し動く

部屋による

11〜12月

雪が降り、内見が減る

通りやすい

11月から12月は、札幌ならではの狙い目です。

雪が積もると、内見に出かける方が減ります。道路が滑り、16時には暗くなる。この時期に空いている部屋は、次に動きが出るのが1月中旬以降です。オーナーさんから見れば、2か月近く空けるより、少し下げて決めたいという判断になりやすいのです。

反対に、1月から3月は交渉を持ちかけること自体が不利になる場面があります。同じ部屋に他の申し込みが入っていると、条件を付けていない方が優先されることがあるからです。

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どのくらい下がるものですか?

月2千円から5千円くらいに収まることが多い印象です。

「1万円下げてください」という相談もいただきますが、そこまで動くのは、かなり条件が揃ったときだけです。オーナーさんにとって、下げた家賃はその後ずっとの家賃になり、次の募集額にも影響します。何年も先まで残る判断なので、慎重になります。

下がった月2千円は、年2万4千円です。 小さくはありません。でも、プロパンガスか都市ガスかの差のほうが、札幌では大きくなることがあります。 交渉の前に、まず光熱費の条件を見てください。

▶ プロパンガスと都市ガス、札幌ではどのくらい違いますか?年間で数万円変わります


金額以外に、頼めることはありますか?

あります。むしろ、こちらのほうが通ります。

家賃そのものは下げにくくても、一度きりの費用や、設備の追加なら判断しやすいのです。

頼めること

内容

通りやすさ

フリーレント

入居から1か月ほど家賃が無料になる

通りやすい

礼金を減らす

1か月分を0.5か月や0にしてもらう

通ることがある

鍵交換費用

オーナー負担にしてもらう

部屋による

設備の交換

古い照明・網戸・エアコンなど

不具合があれば通りやすい

駐車場代

1台目を安くしてもらう

空きが多ければ可能性あり

家賃そのもの

月額を下げる

いちばん重い

フリーレントは、いちばん現実的な選択肢です。

家賃5万円の部屋で1か月分のフリーレントが付けば、初期費用が5万円軽くなります。 月額を2千円下げてもらって同じ5万円に届くには、2年以上かかります。

ただし、フリーレントには短期解約違約金がセットになることがほとんどです。「1年以内に退去した場合は、フリーレント分を返してください」という条件ですね。長く住む予定があるかどうかで選んでください。

そして、設備の交換。これは値引きではなく、改善のお願いです。内見で「網戸が破れている」「照明がない」と気づいたら、そのまま伝えてください。

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どんな言い方をすればいいですか?

「下げてください」ではなく、「この条件なら決めます」と伝えてください。

ここが、いちばん結果を左右します。

オーナーさんが知りたいのは、下げたら本当に決まるのか、その一点です。

伝わりにくい言い方

伝わりやすい言い方

「もう少し安くなりませんか」

「4万8千円にしていただけたら、今日申し込みます」

「高いと思うんですけど」

「予算が月5万円までで、そこに収まれば他は探しません」

「相場より高くないですか」

「入居日はいつでも合わせられます」

ポイントは3つです。

  • 金額をひとつだけ出す(幅で言うと、判断に時間がかかります)

  • 決める意思を添える(これがないと、ただの様子見に見えます)

  • こちらが譲れるものも出す(入居日を早める、長く住む予定がある、など)

3番目が、意外と効きます。

「4月から入居します」より、「来月からでも入れます」のほうが、オーナーさんには空室が1か月減るという実利になります。お互いに差し出すものがあると、話が対等になります。

伝える相手はわたしたちで大丈夫です。「予算が5万円までなんです」と言っていただければ、こちらから聞きます。


交渉しないほうがいい場面はありますか?

あります。3つです。

① 申し込みが重なっているとき
同じ部屋に他の方の申し込みが入っている場合、条件を付けていない方が優先されます。その部屋がどうしても欲しいなら、交渉しないという判断もあります。

② すでに相場よりかなり安いとき
募集額が近隣より明らかに低い部屋は、オーナーさんが最初から下げて出しています。

③ 申し込みや契約のあと
審査が通ったあとで「やっぱりもう少し」と言うのは、信用の問題になります。 交渉は、申し込みの前に一度だけです。後出しは、通らないだけでなく、話そのものが白紙に戻ることがあります。


値切ることが目的になっていませんか?

家賃を下げることは、手段であって目的ではありません。

目的は、無理なく暮らせる部屋に住むことのはずです。ところが、交渉に集中しているうちに、こういうことが起きます。

  • 2千円下げた部屋が、プロパンガスで冬の光熱費が1万円高かった

  • 3千円下げた部屋が、除雪が入らない物件で、毎朝の雪かきが必要だった

  • 交渉に時間をかけているうちに、本命の部屋が決まってしまった

❄️ 札幌では、家賃より冬の条件のほうが、家計への影響が大きいことがあります。

暖房の種類、窓の性能、除雪が管理会社の手配か住人の当番か。この3つで、月1万円は簡単に変わります。 2千円の交渉より、こちらを先に見てください。

▶ 家賃は手取りの3分の1が目安?札幌では、その計算だと冬に足りなくなります

そして、もうひとつ。
交渉が通らなくても、それは断られたのではありません。 「いまは下げられない」というだけです。気まずくなる必要はまったくありませんし、そのまま申し込んでいただいて大丈夫です。


よくあるご質問(家賃交渉)

Q. 交渉を頼むと、印象が悪くなりませんか?
A. なりません。 条件の相談は普通のことです。ただ、申し込みのあとに何度も出すと印象が変わります。一度にまとめて、申し込み前にお伝えください。

Q. 不動産屋によって、下がる額は違いますか?
A. 基本的には変わりません。 家賃を決めるのはオーナーさんだからです。差が出るとすれば、その部屋の事情をどれだけ把握しているかという点です。

Q. 交渉の返事は、どのくらいで来ますか?
A. 1日から3日ほどが多いです。 管理会社からオーナーさんへ確認が回るので、その日のうちに、とはいきません。

Q. 更新のときにも交渉できますか?
A. できますが、新規のときより通りにくいです。 ただ、近隣の募集額が明らかに下がっている場合は、相談する価値があります。

Q. 交渉が通ったら、書面に残りますか?
A. 残ります。 契約書と重要事項説明書に、決まった家賃やフリーレントの条件が記載されます。口約束で終わらせないでください。


おわりに

家賃交渉のご相談をいただくとき、わたしはまずその部屋がいつから空いているかを調べます。

そこが分かれば、通るか通らないかは、だいたい見えます。 見込みがないときは、「この部屋は難しいです」と先にお伝えします。期待させたまま待たせるのが、いちばん申し訳ないからです。

通らなかったときには別の道を探します。フリーレント、礼金、設備。動かせるものは、まだ残っていることが多いです。

最後に、ひとつだけ。

交渉に勝つことより、冬を越せる部屋を選ぶことのほうが、ずっと大事です。

月2千円のために、暖房費が1万円上がる部屋を選んでしまったら、意味がありません。わたしは、そこを一緒に計算する係だと思っています。

「予算が○万円までなんですけど、何か方法ありますか」——この聞き方で大丈夫です。
まずはLINEから、気軽に話しかけてくださいね☺


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