Blog
ブログ
家賃交渉はできますか?札幌の不動産屋が、通る場合と通らない場合を話します
家賃交渉はできます。ただし、通る部屋と通らない部屋が、最初から分かれています。
理由はひとつです。
家賃を決めているのは不動産屋ではなく、オーナーさんだからです。 わたしたちは間に立って伝える役で、値下げの権限は持っていません。だから「交渉が上手かどうか」より、その部屋がいま値下げできる状況にあるかどうかで、ほとんど決まります。
みなさま、こんにちは。
札幌・琴似の不動産屋「スマイルール」代表のゆりんごです🌷
「家賃って、交渉していいものなんですか?」
内見のあと、少し言いにくそうに聞かれることがあります。
言いにくいのは、よく分かります。図々しいと思われたくない、という気持ちですよね。
正直に言うと、聞くこと自体で不利になることは、まずありません。 ただ、聞き方と、聞くタイミングで結果は変わります。
そもそも、家賃は誰が決めていますか?
オーナーさんです。不動産屋ではありません。
ここが分かると、見え方が変わります。
登場人物 | 役割 |
|---|---|
オーナーさん(貸主) | 家賃を決める人。下げる判断をする人 |
管理会社 | 募集条件を預かり、オーナーさんに相談する |
わたしたち(仲介) | お客さまの希望を、管理会社経由で伝える |
お客さま | 条件を提示する側 |
つまり、わたしが「いいですよ」と言えるものではありません。お預かりして、聞いて、返ってきた答えをそのままお伝えするのが仕事です。だから、「交渉に強い不動産屋」という言い方には、あまり意味がありません。 大事なのは、その部屋の事情を知っているかどうかです。
どんな部屋なら通りやすいですか?
空室の期間が長い部屋です。ここがいちばん大きいです。
オーナーさんにとって、空室は毎月まるごと収入がゼロの状態です。1か月空けば、その1か月分がそのまま消えます。
家賃5万円の部屋で考えてみます。
判断 | 1年間の家賃収入 |
|---|---|
5万円のまま、あと3か月空室が続く | 45万円 |
3千円下げて4万7千円で、いま決まる | 56万4千円 |
下げたほうが多く残ります。 だから、空室が長い部屋ほど話が進みやすいのです。
通りやすい部屋の特徴を並べます。
3か月以上、募集が出ている部屋
同じ建物に空室が複数ある
繁忙期を逃した部屋(3月末に残っている部屋は、特にそうです)
設備が少し古く、近隣の相場より割高に見える部屋
反対に、募集が出たばかりの部屋や、問い合わせが重なっている部屋は通りません。 下げなくても決まるからです。
札幌では、いつが交渉しやすいですか?
5月から8月。そして11月から12月です。❄️
札幌の賃貸には、はっきりした波があります。
時期 | 動き | 交渉のしやすさ |
|---|---|---|
1〜4月 | 進学・転勤で最も混む | ほぼ通りません |
5〜8月 | 動きが落ち着く | 通りやすい時期 |
9〜10月 | 秋の転勤で少し動く | 部屋による |
11〜12月 | 雪が降り、内見が減る | 通りやすい |
11月から12月は、札幌ならではの狙い目です。
雪が積もると、内見に出かける方が減ります。道路が滑り、16時には暗くなる。この時期に空いている部屋は、次に動きが出るのが1月中旬以降です。オーナーさんから見れば、2か月近く空けるより、少し下げて決めたいという判断になりやすいのです。
反対に、1月から3月は交渉を持ちかけること自体が不利になる場面があります。同じ部屋に他の申し込みが入っていると、条件を付けていない方が優先されることがあるからです。
▶ 部屋探しはいつから始めればいいですか?札幌の繁忙期と、実は狙い目な時期を不動産屋が正直に話します
▶ 部屋探しの流れを最初から。問い合わせから入居まで何をしますか
どのくらい下がるものですか?
月2千円から5千円くらいに収まることが多い印象です。
「1万円下げてください」という相談もいただきますが、そこまで動くのは、かなり条件が揃ったときだけです。オーナーさんにとって、下げた家賃はその後ずっとの家賃になり、次の募集額にも影響します。何年も先まで残る判断なので、慎重になります。
下がった月2千円は、年2万4千円です。 小さくはありません。でも、プロパンガスか都市ガスかの差のほうが、札幌では大きくなることがあります。 交渉の前に、まず光熱費の条件を見てください。
▶ プロパンガスと都市ガス、札幌ではどのくらい違いますか?年間で数万円変わります
金額以外に、頼めることはありますか?
あります。むしろ、こちらのほうが通ります。
家賃そのものは下げにくくても、一度きりの費用や、設備の追加なら判断しやすいのです。
頼めること | 内容 | 通りやすさ |
|---|---|---|
フリーレント | 入居から1か月ほど家賃が無料になる | 通りやすい |
礼金を減らす | 1か月分を0.5か月や0にしてもらう | 通ることがある |
鍵交換費用 | オーナー負担にしてもらう | 部屋による |
設備の交換 | 古い照明・網戸・エアコンなど | 不具合があれば通りやすい |
駐車場代 | 1台目を安くしてもらう | 空きが多ければ可能性あり |
家賃そのもの | 月額を下げる | いちばん重い |
フリーレントは、いちばん現実的な選択肢です。
家賃5万円の部屋で1か月分のフリーレントが付けば、初期費用が5万円軽くなります。 月額を2千円下げてもらって同じ5万円に届くには、2年以上かかります。
ただし、フリーレントには短期解約違約金がセットになることがほとんどです。「1年以内に退去した場合は、フリーレント分を返してください」という条件ですね。長く住む予定があるかどうかで選んでください。
そして、設備の交換。これは値引きではなく、改善のお願いです。内見で「網戸が破れている」「照明がない」と気づいたら、そのまま伝えてください。
▶ 札幌の賃貸、初期費用はいくら?家賃4万円の部屋で実際にかかった内訳を全部公開します
▶ インターネットはどうする?物件の回線の見方と、申し込みの時期
どんな言い方をすればいいですか?
「下げてください」ではなく、「この条件なら決めます」と伝えてください。
ここが、いちばん結果を左右します。
オーナーさんが知りたいのは、下げたら本当に決まるのか、その一点です。
伝わりにくい言い方 | 伝わりやすい言い方 |
|---|---|
「もう少し安くなりませんか」 | 「4万8千円にしていただけたら、今日申し込みます」 |
「高いと思うんですけど」 | 「予算が月5万円までで、そこに収まれば他は探しません」 |
「相場より高くないですか」 | 「入居日はいつでも合わせられます」 |
ポイントは3つです。
金額をひとつだけ出す(幅で言うと、判断に時間がかかります)
決める意思を添える(これがないと、ただの様子見に見えます)
こちらが譲れるものも出す(入居日を早める、長く住む予定がある、など)
3番目が、意外と効きます。
「4月から入居します」より、「来月からでも入れます」のほうが、オーナーさんには空室が1か月減るという実利になります。お互いに差し出すものがあると、話が対等になります。
伝える相手はわたしたちで大丈夫です。「予算が5万円までなんです」と言っていただければ、こちらから聞きます。
交渉しないほうがいい場面はありますか?
あります。3つです。
① 申し込みが重なっているとき
同じ部屋に他の方の申し込みが入っている場合、条件を付けていない方が優先されます。その部屋がどうしても欲しいなら、交渉しないという判断もあります。
② すでに相場よりかなり安いとき
募集額が近隣より明らかに低い部屋は、オーナーさんが最初から下げて出しています。
③ 申し込みや契約のあと
審査が通ったあとで「やっぱりもう少し」と言うのは、信用の問題になります。 交渉は、申し込みの前に一度だけです。後出しは、通らないだけでなく、話そのものが白紙に戻ることがあります。
値切ることが目的になっていませんか?
家賃を下げることは、手段であって目的ではありません。
目的は、無理なく暮らせる部屋に住むことのはずです。ところが、交渉に集中しているうちに、こういうことが起きます。
2千円下げた部屋が、プロパンガスで冬の光熱費が1万円高かった
3千円下げた部屋が、除雪が入らない物件で、毎朝の雪かきが必要だった
交渉に時間をかけているうちに、本命の部屋が決まってしまった
❄️ 札幌では、家賃より冬の条件のほうが、家計への影響が大きいことがあります。
暖房の種類、窓の性能、除雪が管理会社の手配か住人の当番か。この3つで、月1万円は簡単に変わります。 2千円の交渉より、こちらを先に見てください。
▶ 家賃は手取りの3分の1が目安?札幌では、その計算だと冬に足りなくなります
そして、もうひとつ。
交渉が通らなくても、それは断られたのではありません。 「いまは下げられない」というだけです。気まずくなる必要はまったくありませんし、そのまま申し込んでいただいて大丈夫です。
よくあるご質問(家賃交渉)
Q. 交渉を頼むと、印象が悪くなりませんか?
A. なりません。 条件の相談は普通のことです。ただ、申し込みのあとに何度も出すと印象が変わります。一度にまとめて、申し込み前にお伝えください。
Q. 不動産屋によって、下がる額は違いますか?
A. 基本的には変わりません。 家賃を決めるのはオーナーさんだからです。差が出るとすれば、その部屋の事情をどれだけ把握しているかという点です。
Q. 交渉の返事は、どのくらいで来ますか?
A. 1日から3日ほどが多いです。 管理会社からオーナーさんへ確認が回るので、その日のうちに、とはいきません。
Q. 更新のときにも交渉できますか?
A. できますが、新規のときより通りにくいです。 ただ、近隣の募集額が明らかに下がっている場合は、相談する価値があります。
Q. 交渉が通ったら、書面に残りますか?
A. 残ります。 契約書と重要事項説明書に、決まった家賃やフリーレントの条件が記載されます。口約束で終わらせないでください。
おわりに
家賃交渉のご相談をいただくとき、わたしはまずその部屋がいつから空いているかを調べます。
そこが分かれば、通るか通らないかは、だいたい見えます。 見込みがないときは、「この部屋は難しいです」と先にお伝えします。期待させたまま待たせるのが、いちばん申し訳ないからです。
通らなかったときには別の道を探します。フリーレント、礼金、設備。動かせるものは、まだ残っていることが多いです。
最後に、ひとつだけ。
交渉に勝つことより、冬を越せる部屋を選ぶことのほうが、ずっと大事です。
月2千円のために、暖房費が1万円上がる部屋を選んでしまったら、意味がありません。わたしは、そこを一緒に計算する係だと思っています。
「予算が○万円までなんですけど、何か方法ありますか」——この聞き方で大丈夫です。
まずはLINEから、気軽に話しかけてくださいね☺
札幌女性不動産 by Smirule(スマイルール)
〒063-0811 北海道札幌市西区琴似1条7丁目2-14 CASA COMODO 1F(地下鉄琴似駅5番出口から徒歩7分)
TEL 011-676-8677/平日 9:00-17:00(時間外・土日祝もご相談に応じます)
女性のためのお部屋探し/札幌市内全域対応・無料送迎あり
LINE:https://lin.ee/toPNXSu
