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木造と鉄筋、札幌ではどちらがいいですか。寒さと音の違い

2026/9/27

「木造だから寒い」「鉄筋だから暖かい」とは、札幌では言い切れません。

理由はひとつです。
部屋の寒さを決めているのは、壁より窓だからです。 熱は、いちばん弱いところから逃げます。そして建物の中でいちばん弱いのは、たいてい窓とサッシです。ここが弱い鉄筋より、ここが強い木造のほうが暖かい——これは実際によくあります。

みなさま、こんにちは。
札幌・琴似の不動産屋「スマイルール」代表のゆりんごです🌷

「木造はやめておいたほうがいいですよね?」
道外からいらした方に、よく言われます。

そのお気持ちは分かります。ただ、それで木造を全部外すと、選択肢が半分近く減ります。 そして、外した中にいちばん合う部屋があったりします。

この記事では、寒さと音の2つに絞って、正直なところをお伝えします。


そもそも、どんな種類がありますか?

募集情報には、だいたいこの3つが出てきます。

表記

読み方と中身

木造(W造)

柱や梁が木。アパートに多い

鉄骨造(S造)

鋼材の骨組み。軽量鉄骨と重量鉄骨がある

鉄筋コンクリート造(RC造・SRC造)

コンクリートの躯体。マンションに多い

そして、この表記だけでは性能は分かりません。

同じ「木造」でも、断熱材がしっかり入っている建物と、ほとんど入っていない建物があります。同じ「鉄筋コンクリート造」でも、窓が古いままの建物と、二重の窓に替えてある建物があります。

構造は、性能の一部でしかありません。 ここを先に押さえておいてください。

▶ マンションとアパートは、何が違うのですか


札幌の木造は、本州の木造と同じですか?

違います。ここがいちばんお伝えしたいところです。

札幌の建物は、冬にマイナス10度になることを前提に造られています。 だから、本州の同じ年代の木造と比べると、断熱材の厚み、窓の造り、気密の考え方が違います。

項目

本州の一般的な木造

札幌の木造(断熱をしている建物)

窓

単板ガラスのことも多い

二重サッシ、または複層ガラスが標準的

玄関

一枚のドア

風除室が付くことがある

壁の断熱材

薄めのことがある

厚く入れている建物が多い

暖房

部屋ごとの冷暖房

建物全体を想定した暖房

だから、「本州で木造アパートが寒かった」という記憶で判断しないでください。 同じ木造という言葉でも、中身が違います。

とはいえ、札幌の木造がすべて暖かいわけではありません。 古くて断熱の手が入っていない建物は寒いです。判断は、構造ではなく建物ごとに。


寒さは、何で決まるのですか?

優先順位はこうです。窓が圧倒的に大事です。

順位

見るところ

なぜ

1

窓(二重サッシ・複層ガラス)

❄️ 熱の出入りがいちばん大きい場所です

2

暖房の種類と能力

灯油・ガス・電気で、暖まり方と費用が変わります

3

部屋の向きと階数

最上階・角部屋は外気に触れる面が多いです

4

玄関まわり(風除室の有無)

ドアの開閉で入る冷気が減ります

5

構造(木造か鉄筋か)

ここまで見たあとで、ようやく効いてきます

内見では、まず窓を触ってください。

窓枠が2つあるか。ガラスが2枚重ねか。サッシが樹脂か金属か。金属のサッシは、冬に触ると氷のように冷たくなります。 そこで結露が起きます。

▶ 札幌に梅雨はないのに、なぜ結露するの?冬の湿気とカビを不動産屋が解説します

そして、暖房です。 構造がどうであれ、暖房の種類で冬の光熱費は大きく変わります。「木造だから暖房費が高い」ではなく、「電気暖房だから高い」ということのほうが、実際には多いです。

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音の違いは、どうですか?

鉄筋のほうが静か、は概ね正しいです。ただし、音の性質が違います。

ここは正直にお伝えします。遮音という点では、鉄筋コンクリートが有利です。 コンクリートの壁と床は重いので、音が通りにくくなります。

ただ、「静か」の中身が構造によって違うのです。

音の種類

木造・鉄骨

鉄筋コンクリート

話し声・テレビの音

伝わりやすい

伝わりにくい

足音・物を落とす音

伝わりやすい

伝わるが、性質が変わる

外の車の音

窓次第

窓次第

音の響き方

軽く、どこから来たか分かりやすい

重く響き、どこからか分かりにくい

2番目と4番目に注意してください。

鉄筋コンクリートでも、上の階の足音や、椅子を引く音は伝わります。 床を直接叩いた振動は、コンクリートをよく伝わるからです。そして、その音は「ドン」という低い音になって、どの部屋から来たのか分かりにくくなります。

つまり、鉄筋なら音の悩みが消えるわけではありません。 期待しすぎて、「思ったより聞こえる」とがっかりされる方がいらっしゃいます。

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そして、構造より効くものがあります。

  • 隣の部屋との間に、収納やお風呂が入っている間取り(音の緩衝材になります)

  • 上が屋根の最上階(上からの足音がありません)

  • 戸数が少ない建物(そもそも音源が少ない)

  • どんな方が住んでいるか(これがいちばん大きいです)

最後が本当に大きいです。 鉄筋でも、生活リズムの合わない方が上にいれば気になります。逆に、木造でも静かな方ばかりなら問題は起きません。


結局、どちらを選べばいいですか?

構造で決めず、条件で決めてください。判断の順番をお伝えします。

① 窓を見る(二重サッシか複層ガラスか)
これが最優先です。ここが合格なら、木造でも十分に選べます。

② 暖房の種類を見る
冬4か月の費用に直結します。

③ 音に弱いかどうか、自分に聞く
音に敏感な方、在宅で仕事をする方、夜勤で昼に眠る方は、鉄筋の優先度を上げてください。

④ 家賃とのバランスを見る
同じ広さ・同じ立地なら、鉄筋のほうが家賃が高くなる傾向があります。

こういう方

向いている傾向

音に敏感、在宅で仕事をする

鉄筋コンクリート

家賃を抑えて、広さを取りたい

木造・鉄骨も検討を

小さなお子さんがいる

最上階、または1階(構造より階数が効きます)

冬の光熱費を抑えたい

窓と暖房で選ぶ。構造は二の次

夜勤で昼間に眠る

鉄筋+角部屋+最上階

わたしがよくお伝えするのは、こういう組み合わせです。

「断熱のしっかりした木造の角部屋」は、掘り出し物になることがあります。 家賃が抑えられて、二重サッシがあって、隣に接する面が少ない。かなり快適です。


内見では、何を確かめますか?

この7つを、その場で確かめてください。

#

確かめること

やり方

1

窓が二重か、ガラスが2枚か

触って、枠を数えます

2

サッシの素材

樹脂か金属か。冷たさで分かります

3

壁を軽く叩く

軽い音なら中が空、重い音なら詰まっています

4

床の感触

歩いて沈む感じがあるか

5

共用部の音

廊下で立ち止まって、30秒黙ってみる

6

暖房の設置場所と種類

窓の下にあるか、部屋数に足りているか

7

建てられた年と、直した形跡

窓や設備が新しければ、手が入っています

5番目が、いちばん正直な情報をくれます。

内見は説明を聞きながら歩くので、音に気づけません。一度黙って、30秒だけ立ち止まってください。 上の足音、外の車、水道の音。それがその建物の実力です。

そして3番目。 壁を軽く叩いたとき、コンコンと軽く響くなら、中に空洞があります。重い音がするなら、詰まっています。隣と接する壁でやってみてください。

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もうひとつ。できれば冬に見てください。 夏の内見では、その部屋が寒いかどうか分かりません。冬に行けないなら、「冬の朝は何度くらいですか」と聞いてみてください。

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よくあるご質問(木造と鉄筋)

Q. 木造は火事のときに危ないですか?
A. 現在の建物には、構造ごとに定められた防火の基準があります。そのうえで、火災報知器と消火器の位置、避難経路は、構造にかかわらず入居時に確認してください。

Q. 地震に強いのはどちらですか?
A. 構造の種類より、いつの基準で建てられたかのほうが大きいです。 耐震の基準は過去に見直されており、新しい基準で建てられた建物は、それ以前より地震への備えが強化されています。建築された年を確認するのがいちばん確実です。細かい判断は専門家の領域になります。

Q. 軽量鉄骨は、木造と鉄筋の中間ですか?
A. 遮音という点では、木造に近いと考えておいたほうが失望しません。断熱は建物によります。

Q. 木造だと、退去費用が高くなりますか?
A. 構造では変わりません。 原状回復のルールは同じです。

Q. 1階と最上階では、寒さは違いますか?
A. 違います。最上階は屋根から、1階は床から冷えます。どちらも、断熱と暖房で差が出ます。角部屋はさらに外気に触れる面が増えます。

Q. 鉄筋なら、結露しませんか?
A. しないわけではありません。 気密が高い分、湿気がこもって結露することもあります。窓の性能と換気のほうが大事です。


おわりに

「木造はやめたほうがいいですよね」と聞かれたとき、わたしはいつも「どうしてそう思われますか」と聞き返します。

寒いのが嫌なのか。音が気になるのか。その答えによって、おすすめする物件が変わるからです。

寒さが心配なら、見るのは構造ではなく窓です。
音が心配なら、構造も効きますが、上に誰が住んでいるかのほうが効きます。

構造は募集情報にはっきり書いてあるので、つい構造で絞りたくなります。でも、そこで絞ると、本当に合う部屋が候補から消えます。

わたしがお部屋を探すときは、木造も鉄筋も同じ土俵に並べます。
そのうえで、窓を見て、暖房を見て、上下左右に誰がいるかを調べます。 そのほうが、住んだあとの満足が高いからです。

そして、冬に一度でいいので、気になる部屋を寒い日に見てください。 それでだいたい分かります。

「木造でも大丈夫な部屋ってありますか」だけで大丈夫です。
まずはLINEから、気軽に話しかけてくださいね☺


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