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24時間換気は止めてもいいですか。結露とカビの話

2026/9/30

止めないでください。とくに、札幌の冬は止めないでください。

理由はひとつです。
❄️ 冬に換気を止めると、部屋の中の湿気が外に出ていかなくなるからです。 行き場を失った水分は、いちばん冷たいところ——窓ガラス、サッシ、北側の壁の裏——で水になります。それが結露で、放っておくとカビになります。

みなさま、こんにちは。
札幌・琴似の不動産屋「スマイルール」代表のゆりんごです🌷

「換気の音がうるさくて、止めています」
「寒い風が入ってくるので、テープでふさぎました」

冬に伺うと、本当によく聞くお話です。気持ちはとてもよく分かります。 わたしも、あの冷たい空気が首元に当たるのは苦手です。

ただ、ふさいだ結果がどうなるかを知っていただきたくて、この記事を書きます。


そもそも、24時間換気とは何ですか?

部屋の空気を、少しずつ入れ替え続けるための設備です。

いまの住宅は、昔より気密性が高く作られています。すきま風が減って暖かくなった代わりに、空気が自然に入れ替わらなくなりました。 そこで、機械でゆっくり空気を回す仕組みが入っています。

部屋の中では、こういう組み合わせになっています。

役割

どこにあるか

給気口(入れる)

壁の上のほうにある丸いふた。窓の枠に付いていることも

排気(出す)

浴室・トイレ・キッチンの換気扇

切り替えスイッチ

洗面所や浴室のスイッチ横。「24h」「連続」などの表記

この2つは、セットで初めて働きます。

給気口を閉じたまま換気扇だけ回しても、空気の入り口がないので、ほとんど動きません。逆に、換気扇を止めて給気口だけ開けても、同じです。

「片方だけふさぐ」がいちばん効率の悪い状態です。


止めると、何が起きますか?

水分が、部屋の中にたまり続けます。

人が暮らしているだけで、部屋の中には水分が出ます。

  • 呼吸と汗(寝ているあいだも出ます)

  • 料理(お湯を沸かす、煮る)

  • お風呂(ドアのすきまから出ます)

  • 洗濯物の室内干し(❄️ 冬の札幌では、ほぼ必須です)

  • 観葉植物、水槽

冬の札幌は、この水分の逃げ道がほとんどありません。 寒くて窓を開けないからです。

そして、暖かく湿った空気が冷たい面に触れると、水になります。起きる場所には順番があります。

起きる順番

場所

気づきやすさ

1

窓ガラス・サッシ

見える(気づけます)

2

窓まわりのゴム、下枠

見える

3

家具の裏の外壁

見えません

4

押入れ・クローゼットの奥

見えません

5

床と壁のすき間

見えません

3番目から下が、こわいところです。

窓の結露は毎朝拭けば済みます。けれど、タンスの裏の壁が濡れていることには、引っ越すときまで気づけません。 そして退去のときに、壁紙のカビが見つかります。

▶ 札幌に梅雨はないのに、なぜ結露するの?冬の湿気とカビを不動産屋が解説します

▶ 角部屋は得ですか?札幌では寒いこともあります


電気代が心配です。どのくらいかかりますか?

24時間換気のファンは、消費電力がとても小さい機器です。

多くの住宅用の換気扇は、常時つけっぱなしにしても月に数十円から数百円の範囲です。エアコンや暖房と比べると、桁が違います。

止めて得られる金額より、結露で失うもののほうが大きいというのが、正直なところです。

止めて得られるもの

止めて起きること

電気代が少し減る

結露が増える

冷気の当たる感じが減る

カビが出る

音が静かになる

退去費用が上がることがある

—

咳やアレルギーが出ることも

3番目が、実は金額としていちばん大きいです。

壁紙にカビが出た場合、入居者の使い方が原因と判断されれば、原状回復の費用を求められることがあります。 換気を止めていたことが分かる状態だと、話が不利になります。

▶ 賃貸の退去費用、いくらが普通ですか?札幌の不動産屋が相場と「払わなくていいもの」を正直に話します


寒いのは、換気のせいですか?

多くの場合、換気そのものではなく「給気口の状態」のせいです。

寒く感じるときは、この順で疑ってみてください。

  • ① 給気口が全開になっている(冬は弱めに絞れる機種があります)

  • ② 給気口の真下にソファやベッドがある(冷気が直接あたります)

  • ③ フィルターが真っ黒で、空気が一か所に集中している

  • ④ 給気口の位置が、そもそも低い

  • ⑤ 窓のサッシが古く、そちらから冷気が来ている

②を動かすだけで、体感がかなり変わります。

給気口は、たいてい壁の高いところにあります。入ってきた冷たい空気は下に降りるので、その真下に寝る場所があると、一晩中冷気を浴びることになります。 ベッドの位置を1メートルずらすだけで、「寒い」が消えることがあります。

そして⑤。冬の冷気の多くは、実は古いアルミの一重サッシから来ています。換気口をふさいでも寒いままなら、原因はそちらです。


給気口の掃除は、どうやりますか?

3か月に1回、5分で終わります。冬の前に必ず1回してください。

手順はこれだけです。

  • ① ふたを反時計回りに回すか、手前に引いて外す(機種によります)

  • ② 中の白いフィルターを取り出す

  • ③ 掃除機でほこりを吸う

  • ④ 汚れがひどければ、ぬるま湯で洗って完全に乾かす

  • ⑤ 元に戻す

④のあと、完全に乾かしてから戻してください。 濡れたまま戻すと、そこがカビの発生源になります。

やってみると、フィルターが灰色を通り越して黒くなっていることがよくあります。とくに幹線道路沿いや、工事の多い時期のあとは汚れが早いです。

そして、フィルターは交換できます。 賃貸でも、消耗品として自分で買って替えて構いません。ホームセンターで手に入ります。迷ったら、管理会社に「フィルターの型番を教えてください」と聞けば教えてもらえます。

掃除のタイミングは、10月がおすすめです。 雪が降る前に済ませておくと、冬のあいだ気にしなくて済みます。

▶ 雪虫が飛んだら冬支度。札幌の部屋で10月中にやっておく7つのこと


換気のほかに、冬の湿気を減らす方法は?

この6つを足すと、結露はかなり減ります。

やること

効き方

洗濯物を干す部屋のドアを開ける

湿気を一か所に集中させない

浴室の換気扇を、入浴後3時間回す

いちばん大きな湿気の出どころです

浴室のドアを閉めておく

湿気を部屋に出さない

家具を壁から5センチ離す

壁の裏の結露を防ぎます

クローゼットを時々開ける

空気を動かします

朝、窓を5分だけ開ける

❄️ 寒くても、これが効きます

いちばん下は、冬にやる気が出ない筆頭です。 でも、5分で構いません。外の空気は冷たいぶん乾いているので、入れ替えると部屋の水分がはっきり減ります。

そして、結露を拭いたあとの雑巾を、そのまま部屋で乾かさないでください。 せっかく取った水分を、また部屋に戻していることになります。

▶ 札幌の冬の光熱費を下げる。部屋でできることと、部屋選びで決まること


内見のとき、どこを見ればいいですか?

この5か所です。図面には出てこない情報です。

  • 給気口が、各部屋にあるか(居室に1つもない物件があります)

  • 給気口の真下に、家具を置く場所が来ないか

  • フィルターの汚れ具合(前の入居者の使い方が分かります)

  • 浴室の換気扇に「24h」の表示があるか

  • 窓のサッシのゴムに、黒い点が並んでいないか

いちばん下が、いちばん正直です。

サッシのゴムに黒い点が並んでいたら、その部屋は過去に結露していたということです。同じ条件で住めば、同じことが起きます。その場で「ここ、冬は結露しますか」と聞いて構いません。

そして、給気口のふたが接着テープでふさがれたままになっている物件もあります。前の方が寒さでふさいだのだと思います。そういう部屋は、壁や押入れの状態もあわせて見ておきたいところです。

▶ 設備で分かるNG物件。図面と内見で見抜く8か所を、札幌の不動産屋がまとめます

▶ 木造と鉄筋、札幌ではどちらがいいですか。寒さと音の違い


よくあるご質問(24時間換気)

Q. 外出中も、つけっぱなしでいいですか?
A. つけっぱなしで大丈夫です。 そのための設備です。留守のあいだも湿気は出ているので、止めないほうが部屋のためになります。

Q. 音が気になって眠れません。
A. まずフィルターの掃除を試してください。 ほこりが詰まると音が大きくなります。それでも気になるなら、管理会社に相談してください。機器の劣化で異音が出ていることもあります。

Q. 給気口を閉じてはいけませんか?
A. 完全にふさぐのは避けてください。 風量を弱めに調整できる機種なら、冬だけ絞るのは構いません。ただし、洗濯物を室内干しする日は開けてください。

Q. 古い建物で、24時間換気がありません。
A. その場合は、手動で補ってください。 朝と夜に5分の換気、浴室の換気扇を長めに回す、除湿機を使う。この3つでかなり違います。

Q. 除湿機を買ったほうがいいですか?
A. 室内干しをする方には、おすすめしています。 乾くのも早くなるので、洗濯のストレスが減ります。ただし、換気の代わりにはなりません。両方です。

Q. カビが出てしまいました。どうすればいいですか?
A. 広がる前に管理会社に連絡してください。 建物側の問題(雨漏り、断熱不足)で起きていることもあります。黙って放置して退去時に発覚するのが、いちばん不利になります。


おわりに

「換気を止めたら、暖かくなりますか」
冬になると、必ずいただく質問です。

答えは、少し暖かくなります。そして、その代わりに部屋が濡れます。

結露は、朝に窓を拭けば済むものだと思われがちです。
けれど、本当にこわいのは見えない場所で起きている結露です。タンスの裏、押入れの奥、床と壁のすき間。気づくのは、たいてい引っ越すときです。

だから、わたしがお願いしたいことはひとつだけです。
給気口を、テープでふさがないでください。

寒いのには、たいてい別の理由があります。
給気口の真下にベッドがある。フィルターが詰まっている。窓が古い。

そこを直したほうが、ふさぐよりずっと暖かくなります。

札幌の冬は長いです。11月から3月まで、窓はほとんど開けられません。
その5か月を、乾いた部屋で過ごせるかどうか。 小さなことに見えて、体にも家計にも効いてきます。

「うちの換気、これで合ってますか」——そんな質問でも大丈夫です。
まずはLINEから、気軽に話しかけてくださいね☺


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