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南向きじゃないとダメですか。札幌の日当たりと、冬の窓

2026/9/29

南向きは有利です。ただし、札幌では「向き」だけで日当たりは決まりません。

理由はひとつです。
冬の札幌は、太陽がとても低いところを通るからです。 太陽が低いと、影が長く伸びます。南向きでも、前に建物があれば日は入りません。❄️ 逆に、北向きでも前が開けていて雪の照り返しがあれば、思ったより明るい部屋になります。

みなさま、こんにちは。
札幌・琴似の不動産屋「スマイルール」代表のゆりんごです🌷

「南向きでお願いします」
これは、ほぼ毎回いただくご希望です。

そのお気持ちはよく分かります。ただ、南向きという条件だけで絞ると、条件のいい部屋をかなり外してしまいます。 そして、南向きなのに暗くて寒い部屋も、実際にあります。


南向きは、やっぱり有利ですか?

有利です。そこは否定しません。

南向きの利点は、大きく3つです。

  • 日が入っている時間がいちばん長い

  • 冬でも、昼のあいだは部屋が暖まる

  • 洗濯物が乾きやすい

とくに2番目は、札幌では本当に助かります。昼に日が入るだけで、暖房の効きが変わります。冬の光熱費に直接ひびく部分です。

ただし、これは「前が開いていれば」という条件つきです。

ここが、いちばん誤解されているところです。募集情報に書いてある「南向き」は、窓がどちらを向いているかという情報でしかありません。 日が当たるかどうかは、別の話です。


札幌の冬の日当たりは、どうなりますか?

夏とは、まったく別物になります。

季節ごとに、こう変わります。

夏

冬

太陽の高さ

高い(真上に近い)

とても低い

影の長さ

短い

長く伸びる

日の入り

19時ごろ

❄️ 16時ごろ

日が入る奥行き

窓ぎわだけ

部屋の奥まで届く

前の建物の影響

小さい

大きい

面白いのは、下から2番目です。

冬は太陽が低いので、日が部屋の奥まで差し込みます。 南向きで前が開けている部屋は、冬の晴れた日にとても暖かくなります。「冬のほうが日当たりがいい」とおっしゃる方がいるのは、このためです。

そして、いちばん下。同じ理由で、前の建物の影も長く伸びます。 夏はまったく問題なかったのに、12月になったら一日中日が入らない、ということが起きます。

夏に内見して決めた部屋で、この差に驚く方は多いです。


雪の照り返しは、関係ありますか?

あります。札幌ならではの、いい面です。

一面が雪になると、地面が光を反射します。 その反射光が窓から入るので、雪のない季節より部屋が明るく感じられることがあります。

とくに効くのが、この2つです。

  • 北向きの部屋(直射は入らないが、反射光で明るくなる)

  • 1階・2階の低い階(地面が近いぶん反射を受けやすい)

北向き=暗い、と決めつけなくていいのは、この照り返しがあるからです。

ただし、いいことばかりではありません。

  • 反射光は明るいけれど、熱はほとんど運びません。 明るくても暖かくはなりません

  • 晴れた日の雪面はまぶしいです。 在宅で画面を見る方は、レースのカーテンがあると楽です

▶ 在宅ワークするなら、どんな部屋を選べばいい?札幌では冬の光熱費が別問題になります


向きより先に見るものは、何ですか?

この3つです。向きは4番目でいいくらいです。

優先順位

見るところ

なぜ

1

窓の前に何があるか

建物・塀・木。ここで全部決まります

2

窓の性能(サッシ)

二重窓かどうかで暖かさが変わります

3

窓の大きさと数

小さな南向きより、大きな東向き

4

向き

ここでようやく

1番目が、本当にいちばん大事です。

南向きでも、5メートル先に3階建てが建っていれば、冬は日が入りません。 東向きでも、前が駐車場や道路で開けていれば、朝からしっかり明るい部屋になります。

内見のときは、窓を開けて外を見てください。 そして、こう考えてみてください。

  • 前の建物との距離は、何メートルくらいか

  • その建物は、何階建てか

  • 空が、どのくらい見えるか

「空がどのくらい見えるか」が、いちばん分かりやすい目安です。窓から見上げて空が広く見える部屋は、向きに関係なく明るくなります。

そして2番目のサッシ。日が入っても、窓から熱が逃げていたら意味がありません。ガラスが2枚あるか(複層ガラス)、窓が二重になっているか。 札幌では、これが日当たり以上に効きます。

▶ 内見で見るべきポイントは?札幌の不動産屋が「ここだけは見て」と伝えている12か所

▶ 札幌の冬の光熱費を下げる。部屋でできることと、部屋選びで決まること


西向きはどうですか。西日が心配です

冬は味方、夏は少し手強い。これが西向きです。

向きごとの性格を、札幌の感覚で並べてみます。

向き

いいところ

気をつけるところ

南

日照時間が長い/冬も暖かい

家賃が上がりやすい

東

朝から明るい/夏も涼しい

午後は暗くなる

西

❄️ 冬の夕方まで日が入る

夏の西日が暑い/家具が焼ける

北

夏が涼しい/光が安定する

直射が入らない/冬は寒くなりやすい

西向きは、評判のわりに悪くありません。

札幌の冬は16時に暗くなります。つまり、「西日が差す時間」がそのまま「明るい時間」の最後の部分です。夕方に帰宅して、まだ少し明るい。これは冬にはありがたいことです。

問題は夏です。札幌でも真夏日が増えました。 西向きの部屋は、夕方に室温が上がります。対策はシンプルです。

  • 遮光カーテンを1枚

  • エアコンがあるか、後から付けられるか確認する

  • 西の窓のそばに、テレビや本を置かない(日焼けします)

▶ 札幌の夏は暑くなりました。エアコンなしの部屋を選ぶ前に読んでください

▶ 角部屋は得ですか?札幌では寒いこともあります


北向きは、選んではいけませんか?

選んでいい方は、たくさんいます。

北向きの部屋は、家賃が下がります。同じ建物・同じ広さで、月2千〜5千円ほど安いことが多い印象です。 その差額を、暖房のいい部屋や駅に近い場所に使うという考え方もあります。

北向きが合いやすいのは、こういう方です。

  • 日中は家にいない(朝出て、暗くなってから帰る)

  • 在宅でも、直射より安定した明るさがいい

  • 夏に部屋を涼しく保ちたい

  • 家賃を抑えて、その分を別のことに使いたい

逆に、北向きを避けたほうがいい方もはっきりしています。

  • 洗濯物を室内で干す方(乾きにくく、湿気がこもります)

  • 昼に家にいる時間が長い方

  • とにかく寒がりな方

とくに1番目は大事です。 北側の部屋は壁が冷えやすく、そこに湿った洗濯物を干すと、結露とカビの原因になります。北向きを選ぶなら、換気のしかたをセットで決めてください。

▶ 札幌に梅雨はないのに、なぜ結露するの?冬の湿気とカビを不動産屋が解説します

▶ 24時間換気は止めてもいいですか。結露とカビの話


内見で、日当たりをどう確かめますか?

この6つを見ると、だいたい分かります。

  • 窓から空がどれだけ見えるか(見上げてください)

  • 前の建物の高さと距離

  • 床や壁紙の日焼け具合(強い日が入る部屋は色が抜けています)

  • サッシのガラスが何枚か

  • 窓のそばに立って、ひんやりするか

  • 地図アプリの航空写真で、建物の並びを見る

3番目が、意外と使えます。

床や畳、カーテンレールのあたりが日に焼けていたら、そこには実際に強い日が入っているということです。逆に、南向きなのにまったく焼けていない部屋は、日が入っていない可能性があります。

そして、時間帯を変えて2回見るのがいちばん確実です。昼に一度、夕方にもう一度。冬なら15時半ごろに行ってみてください。そこで暗ければ、冬はその時間から照明の生活になります。


よくあるご質問(向きと日当たり)

Q. 南向きだと、家賃はどのくらい上がりますか?
A. 同じ建物の中で月2千〜5千円ほど差がつくことが多い印象です。 ただし、前が開けていない南向きなら、その差額を払う価値は下がります。

Q. 冬の札幌は、そんなに日が短いのですか?
A. 12月は16時前に暗くなります。 「夕方に帰る」が実質「夜に帰る」になります。日当たりだけでなく、帰り道の明るさもあわせて考えてみてください。

Q. 日当たりが悪いと、光熱費は上がりますか?
A. 上がる方向に働きます。 ただし、影響が大きいのは日当たりより窓の性能と暖房の種類です。そちらを先に見てください。

Q. マンションの中層階と低層階では、違いますか?
A. 違います。 低い階ほど前の建物の影を受けます。同じ向きなら、上の階のほうが日が入りやすいです。冬はこの差がさらに開きます。

Q. 部屋が暗くても、明るくできますか?
A. できます。照明を白っぽい色に替える、カーテンを明るい色にする、鏡を窓の向かいに置く。 これだけでも印象が変わります。

Q. 向きにこだわらず探してもらえますか?
A. できます。「明るい部屋がいいです」と言っていただければ十分です。 向きではなく、前面の空きと窓の大きさで選びます。そのほうが、選択肢がぐっと増えます。


おわりに

「南向きでお願いします」と言われたとき、わたしはいつも一度確かめます。

欲しいのは「南向き」でしょうか。それとも「明るい部屋」でしょうか。

たぶん、後者だと思うのです。

そして、明るい部屋は南向きだけにあるわけではありません。
窓の前が開いているか。窓が大きいか。空が見えるか。

これが揃っていれば、東向きでも西向きでも、十分に明るい部屋になります。
逆に、前に建物が迫った南向きは、冬にいちばんがっかりします。

札幌の冬は、太陽が低くて、日が短くて、雪が光ります。
本州の感覚とは、少し違う場所です。

だから、図面の「南」という文字だけで決めないでください。
一度、その窓から空を見上げてみてほしいのです。

「南向きがいいんですけど、他にも明るい部屋はありますか」——この聞き方で大丈夫です。
まずはLINEから、気軽に話しかけてくださいね☺


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