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水落としとは?やり方と、いつやるか。札幌の冬の水道
水落としは、水道管の中の水を抜いて、凍って破裂するのを防ぐ作業です。
理由はひとつです。
水は凍ると膨らんで、管を内側から割るからです。 割れた管は、気温が上がって溶けた瞬間に水を噴きます。凍っている間は静かなのに、溶けたときに被害が出る。これが札幌の冬で毎年起きていることです。
みなさま、こんにちは。
札幌・琴似の不動産屋「スマイルール」代表のゆりんごです🌷
「水落としって、何を落とすんですか?」
道外からいらした方から、ほぼ必ずいただくご質問です。
言葉だけ聞くと、何かを落下させる作業に聞こえますよね。わたしも最初にこの言葉を聞いた方が固まるのを、何度も見てきました。
でも、やることはとても単純です。 仕組みが分かれば、5分もかかりません。この記事では、考え方・手順・留守にするとき・凍らせてしまったときの4つに分けてお伝えします。
そもそも、なぜ水を抜く必要があるのですか?
管の中に水が残っていると、そこが凍って割れるからです。
水道管は、壁の中や床下を通っています。室内が暖まっていれば凍りませんが、外気に近い場所を通る区間があります。玄関まわり、外壁に接した洗面所、使っていない部屋の配管。ここが弱点になります。
そして札幌では、朝の気温がマイナス10度を下回る日が普通にあります。晴れた朝ほど冷えるので、「昨日は平気だったのに今朝は凍った」が起きます。
凍りやすい場所 | 理由 |
|---|---|
外壁側の洗面所・トイレ | 壁1枚で外気に接しています |
玄関に近い水回り | ドアの開閉で冷気が入ります |
使っていない部屋の配管 | 暖房を切ると、そこだけ冷えます |
1階・角部屋 | ❄️ 外気に触れる面が多くなります |
屋外の散水栓 | 秋のうちに止めておく場所です |
水が残らなければ、凍っても割れません。 凍らせない努力ではなく、凍っても大丈夫な状態にする——これが水落としの考え方です。
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どうやってやるのですか?
水抜き栓を閉めて、蛇口を開けて、管の中の水を落とすだけです。
物件によって形は違いますが、流れはどれも同じです。
① 水抜き栓の場所を確認する
台所のシンク下、洗面台の下、玄関収納の中、廊下の壁など。ハンドル式、レバー式、電動スイッチ式があります。入居のときに必ず場所を聞いてください。
② 水抜き栓を「水抜き」側に回す(または押す)
これで水が止まり、管の中の水が落ちる準備ができます。
③ 家じゅうの蛇口を全部開ける
お湯側・水側の両方です。ここを片方だけにする方が多いのですが、両方開けてください。 空気が入らないと水が落ちません。
④ 水が出きったら、蛇口を閉める
チョロチョロと出て、やがて止まります。1〜2分です。
⑤ トイレと洗濯機も忘れずに
トイレはレバーを引いてタンクの水を流します。洗濯機は給水ホースの中に水が残ります。
場所 | やること |
|---|---|
台所 | 蛇口を開ける(お湯・水の両方) |
洗面所 | 蛇口を開ける(お湯・水の両方) |
浴室 | 蛇口とシャワーの両方を開ける |
トイレ | レバーを引いて流す。ウォシュレットは説明書に従う |
洗濯機 | 給水栓を閉めて、ホースの水を抜く |
戻すときは逆です。 蛇口を全部閉めてから、水抜き栓を「通水」側に戻します。蛇口を開けたまま戻すと、家じゅうから水が出ます。 これは毎年どこかで起きます。
毎日やらないといけませんか?
毎日ではありません。必要なのは、この3つの場面です。
数日以上、家を空けるとき(旅行・帰省・出張)
真冬の冷え込む日に、暖房を切って長時間出かけるとき
管理会社から案内があったとき
逆に言うと、毎日暮らしていて、暖房を入れていて、水を普通に使っているなら、神経質にならなくて大丈夫です。水が動いている管は、そうそう凍りません。
ただし、築年数の古い物件や、外気に近い配管の物件は別です。「寒い日は水落としをしてください」と言われることがあります。その案内があるかどうかが、その物件の答えです。
判断に迷ったら、やってしまって構いません。 水落としをしてデメリットが出ることはありません。5分の手間で、数万円の修理が消えます。
旅行や帰省で留守にするときは?
冬に1泊でも家を空けるなら、水落としをしてください。
とくに年末年始です。帰省で1週間空ける・暖房を止める・その間に寒波が来る。 この3つが重なるのが、いちばん割れる条件です。
留守にする前は、この順番で。
# | やること | なぜ |
|---|---|---|
1 | 水落としをする | 本命です |
2 | 洗濯機のホースの水も抜く | 見落としの定番 |
3 | 暖房を完全に切らない | 低め設定で回しておくと安心です |
4 | 浴槽の水を抜く | 湿気とカビの対策にもなります |
5 | 加湿器・電気ポットの水を捨てる | 凍って容器が割れます |
6 | 管理会社の緊急連絡先を控える | 留守中に連絡が来ることがあります |
3番目に迷う方が多いです。 「留守なのに暖房代がもったいない」というお気持ちは分かります。ただ、水落としをしたうえで暖房を弱く回しておくのが、いちばん安全です。
そして、出発の直前にやってください。 前の晩にやって朝にシャワーを浴びると、水を戻すことになります。順番は「最後にトイレ→水落とし→出発」です。
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凍ってしまったら、どうすればいいですか?
まず、熱湯をかけないでください。
急に熱を当てると、金属や樹脂が急膨張して割れます。 凍ったこと自体より、あわてた対処で被害が大きくなることのほうが多いです。
やっていいこと
部屋の暖房を強くして、部屋ごと温める
凍っていそうな場所に、ぬるま湯を含ませたタオルを当てる
ドライヤーの温風を、離して、動かしながら当てる
洗面台の下の扉を開けて、暖かい空気を入れる
やってはいけないこと
熱湯をかける
火であぶる
蛇口を力まかせに回す
水抜き栓を無理に動かす
そして、溶けたあとに水漏れがないかを必ず確認してください。 床が濡れる、壁からしみる、使っていないのに水道メーターが回っている——これは管理会社へすぐ連絡です。
迷う前に電話してください。 「こんなことで」と待っている間に、階下まで被害が広がることがあります。
修理の費用は、誰が払うのですか?
原因によります。ここは正直にお伝えします。
状況 | 費用の考え方 |
|---|---|
建物や設備の老朽化による破損 | 貸主側の負担になることが多いです |
案内どおりに水落としをしていた | 同上。過失がないためです |
案内があったのにやらなかった | 入居者の負担を求められることがあります |
長期の留守で暖房を切っていた | 状況によっては入居者側の責任を問われます |
つまり、「やるように言われていたかどうか」が分かれ目です。
だから、入居のときに「この部屋は、どういうときに水落としが必要ですか」と聞いて、覚えておいてください。 契約書や入居のしおりに書かれていることもあります。
そして、火災保険です。 賃貸の契約時に入る保険には、水漏れで他のお部屋に損害を与えたときの補償が含まれていることが多いです。どこまで見てくれるかは保険によって違うので、証券を一度確認しておいてください。
金額は状況によって幅がありすぎるので、ここでは書きません。ただ、「5分をやらなかったこと」が数万円になる可能性はあります。
部屋を選ぶ段階で、見ておくことはありますか?
あります。内見のときに、この4つを聞いてください。
① 水抜き栓はどこにありますか
その場で見せてもらってください。場所を知らないまま冬を迎えるのが、いちばん危ないです。
② 手動ですか、電動ですか
電動スイッチ式なら、ボタンひとつです。道外から来られる方には、正直ありがたい設備です。
③ この部屋は、凍りやすいですか
管理会社は過去を知っています。「去年、凍結はありましたか」まで聞いて構いません。
④ 暖房は何ですか
灯油・ガス・電気で、冬の運用が変わります。暖房を弱く回しっぱなしにできるかは、光熱費の話でもあります。
▶ 内見で見るべきポイントは?札幌の不動産屋が「ここだけは見て」と伝えている12か所
そして、意外な話をひとつ。
札幌の物件は、水落としを前提に造られています。 本州の物件には水抜きの仕組みがないので、同じ気温になれば手の打ちようがありません。「面倒な作業がある」のではなく、「備えがある」のです。
よくあるご質問(水落とし)
Q. マンションでも水落としは必要ですか?
A. 建物によります。 各戸での水落としが不要な建物もあれば、外気に近い配管があって必要な部屋もあります。管理会社に聞くのが確実です。
Q. 水抜き栓が見つかりません。
A. 台所や洗面台の下、玄関収納の足元、廊下の点検口などです。分からなければ管理会社に電話してください。 探し回るより早いです。
Q. お湯側も抜くのですか?
A. 抜いてください。 給湯器まわりにも水抜きの操作があります。冬になる前に説明書を一度読んでおくと安心です。
Q. ウォシュレットはどうすればいいですか?
A. 機種ごとに水抜きの手順があります。 タンクに水が残ると割れます。長期で留守にするときは、説明書の手順に従ってください。
Q. 一晩の外出でも必要ですか?
A. 暖房を入れたまま出かけるなら、通常は不要です。 ただし、冷え込みが強い日で暖房を止めて出るなら、やっておいたほうが安心です。
Q. やり方を忘れてしまいそうです。
A. 手順を紙に書いて、水抜き栓の扉の内側に貼ってください。 これがいちばん確実です。ご入居のときに、わたしが一緒に手順を書きます。
おわりに
水落としは、北海道で暮らす方にとっては当たり前の作業です。
でも、道外から来た方にとっては、存在すら知らない作業です。
そして、知らないまま冬を迎えると、年末年始の帰省で、いちばん大きな形で失敗します。 帰ってきたら床が濡れている。毎年どこかで起きていることです。
だから、わたしはご契約のときに必ずお伝えします。
水抜き栓の場所を、その場で一緒に確認します。
難しい作業ではありません。
栓を閉めて、蛇口を開けて、水が落ちるのを待つ。それだけです。
冬の札幌は、慣れるまで分からないことばかりです。除雪も、暖房も、結露も。でも、ひとつずつ聞いてもらえれば、全部答えられます。
「水落としって、結局どうやるんですか」だけで大丈夫です。
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