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間取り図の見方が分かりません。図面だけで分かるNG物件と、札幌だけの記号を不動産屋が解説します
間取り図でいちばん最初に見るのは、「畳数」ではありません。「専有面積」と「収納の奥行き」です。
同じ「洋室8畳」でも、部屋が四角いか、柱が出っ張っているかで、置ける家具がまるで変わります。畳数だけを見て決めると、引っ越し当日に「ベッドが入らない」が起きます。
そしてもうひとつ。
札幌の間取り図には、本州の図面には出てこない記号が載っています。 FF、RH、風除室、ホームタンク。これが読めるかどうかで、冬の暮らしやすさの見当がつきます。
みなさま、こんにちは。
札幌・琴似の不動産屋「スマイルール」代表のゆりんごです🌷
間取り図は、慣れると内見に行く前にかなりの部分がふるいにかけられます。 移動の時間も体力も限られていますから、ここで絞れると本当に楽です。
わたしがお客さまに図面をお送りするとき、実際に見ているところを、そのまま書きます。
間取り図で、最初に見るところはどこですか?
専有面積です。畳数より先に、こちらを見てください。
理由は、畳の大きさに全国共通の基準がないからです。
呼び方 | 1畳のサイズ | 主に使われる地域 |
|---|---|---|
中京間 | 約1.65㎡ | 中部地方 |
江戸間 | 約1.55㎡ | 関東・北海道でも多い |
団地間 | 約1.45㎡ | 公団・アパート |
同じ「6畳」でも、団地間と中京間では1畳分近い差が出ます。だから畳数は目安にしかなりません。
専有面積の目安(ひとり暮らし)
間取り | 専有面積の目安 | 暮らし方 |
|---|---|---|
1R・1K | 20〜25㎡ | ひとり暮らしの標準 |
1K | 25〜30㎡ | 荷物が多い方はここから |
1DK・1LDK | 30〜40㎡ | 在宅ワークや来客があるなら |
そして専有面積にはバルコニーは含まれません。 「30㎡」と書いてあっても、そのうち3㎡がロフトということもあります。何が含まれているかまで見てください。
収納は、どこを見ればいいですか?
幅ではなく、奥行きです。
図面に「押入」「CL(クローゼット)」と書いてあっても、それだけでは足りません。奥行きが55cmあるかどうかを確認してください。
理由はシンプルで、ハンガーが掛からないからです。 一般的なハンガーの幅は42cm前後。奥行きが45cmしかないクローゼットだと、服が斜めになるか、扉が閉まりません。
表記 | 意味 | 奥行きの目安 |
|---|---|---|
CL | クローゼット | 55〜60cm(洋服向き) |
WCL / WIC | ウォークインクローゼット | 人が入れる広さ |
押入 | 押入れ | 80〜90cm(布団向き。洋服には深すぎます) |
SIC | シューズインクローゼット | 玄関の土間収納 |
床下 | 床下収納 | 缶詰などの保管に |
押入は洋服には向きません。 奥行きが深すぎて、手前の服しか使わなくなります。押入しかない物件を選ぶなら、突っ張り棒か収納ケースの追加が前提です。
そして図面を見るときは、いま持っている服の量を思い出してください。 わたしは整理収納アドバイザーの資格を持っているのですが、ご相談でいちばん多いのは「収納が足りない」ではなく「奥行きが合っていない」です。
部屋の形は、なぜ大事なのですか?
四角い部屋と、いびつな部屋では、置ける家具の数が変わるからです。
同じ8畳でも、こうなります。
きれいな長方形 → ベッド・机・棚が壁沿いに並びます
L字や台形 → デッドスペースが出て、実質7畳くらいの使い勝手になります
そして、間取り図でとくに気をつけていただきたいのが柱と梁です。
図面の中で、部屋の角が四角く欠けているように描かれているところ。あれが柱です。RC造(鉄筋コンクリート)の物件によくあります。
柱があると、こうなります。
冷蔵庫や本棚が、壁にぴったり付けられない
ベッドの頭が、柱の分だけ斜めになる
見た目の畳数より、実際に使える面積が減る
内見のときは、柱の出っ張りを必ずメジャーで測ってください。 図面には出っ張りの寸法まで書いていないことが多いです。
札幌の間取り図にしかない記号を教えてください
ここが、この記事でいちばんお伝えしたいところです。
道外から来られた方は、まずこの記号が読めません。
表記 | 読み方・意味 | 何が分かるか |
|---|---|---|
FF | FF式暖房(強制給排気式ストーブ) | 札幌では当たり。灯油かガスで、燃焼の空気を外から取るので換気が要りません |
RH | ロードヒーティング | 駐車場や玄関前の融雪設備。負担金が別途かかることがあります |
風除室 | ふうじょしつ | 玄関の外側にもう一枚扉がある空間。あると冬の玄関がまったく違います |
ホームタンク | 屋外の灯油タンク | 灯油が配達で入ります。自分で買いに行かなくて済みます |
セントラル | セントラルヒーティング | 家全体が均一に暖かい。部屋ごとの温度調整はしづらいです |
PS | パイプスペース | 配管の場所。ここも実質使えない面積です |
MB | メーターボックス | ガス・電気のメーター |
とくに風除室は、道外の方が図面で見落とすものの筆頭です。
風除室があると、玄関を開けたときに冷気が一気に入ってきません。雪や靴の泥を落とす場所にもなります。「玄関前にもう一つ小さい四角が描いてある」物件は、当たりだと思ってください。
そしてRH(ロードヒーティング)は、良いことばかりではありません。融雪してくれるのは本当に助かるのですが、電気代や灯油代の負担金を入居者が払う物件があります。 図面にRHとあったら、「負担金はいくらですか」と必ず聞いてください。
暖房の種類で冬の光熱費がどれだけ変わるかは、こちらに金額を出して書きました。
▶ 札幌に移住するなら、冬を想定して部屋を選んでください
方角は、どこまで気にすればいいですか?
札幌では、方角より「南側に何が建っているか」のほうが大事です。
図面には方位マーク(N の矢印)が付いています。南向きが人気なのは全国共通ですが、札幌には事情があります。
冬の太陽が、驚くほど低いところを通るからです。
冬至のころの札幌は、日の出が7時すぎ、日の入りが16時すぎ。太陽の高さも夏とはまるで違います。その結果、夏は日が入っていた南向きの部屋が、冬は向かいの建物の影に一日中入るということが起きます。
だから図面を見るときは、方位マークと一緒に、周りの建物を地図で確認してください。 いまは地図アプリで、建物の高さもだいたい分かります。
方角ごとの特徴を、札幌の事情込みでまとめます。
方角 | 良いところ | 気をつけるところ |
|---|---|---|
南 | 日照時間が長い | 家賃が高め。冬は影の影響を受けやすい |
東 | 朝が明るい | 午後は暗くなります |
西 | 午後まで明るい | 夏の西日が強い |
北 | 家賃が安い。夏は涼しい | 冬の結露に要注意。窓の作りを必ず確認 |
北向きは、避けるべき条件ではありません。窓がペアガラスで、断熱がしっかりしていれば、十分住めます。 むしろ家賃が下がるぶん、お得なことがあります。
間取り図だけで避けられるNG物件は?
図面の段階で「これは見に行かなくていいかも」と判断できるものを、5つ挙げます。
NG1. 収納がまったく描かれていない
図面に収納の表記が一切ない物件があります。家具で対応できますが、その分の費用と面積が要ります。
NG2. 部屋の形が複雑で、柱の欠けが多い
使える面積が、畳数よりかなり減ります。家具の配置が最初から限られます。
NG3. キッチンと寝るスペースに仕切りがない
ワンルームでよくある形です。料理のにおいが寝具に付きます。 自炊をしたい方には向きません。「1R」と「1K」の違いはここです。
NG4. 洗濯機置き場が屋外(バルコニー)
札幌では、これはかなり厳しいです。 冬に凍って動かなくなります。図面で「洗濯機置場」がベランダ側にあったら、室内かどうかを必ず確認してください。
NG5. 玄関を開けたら、部屋の中が丸見えの配置
玄関から居室までまっすぐで、仕切りがない間取りです。宅配便を受け取るときに、部屋の中が見えます。女性のひとり暮らしでは、気にする方が多いところです。
図面で分からないことは、何ですか?
正直に言うと、大事なことのほとんどは図面に載っていません。
図面で分かるのは、あくまで形と広さです。分からないのは、こういうことです。
窓を開けたときに何が聞こえるか
収納の実際の奥行き(図面に寸法がないことが多いです)
コンセントの位置と数
水圧
駅からの道の明るさ
冬の日当たり
共用部が清掃されているか
だから、図面でふるいにかけて、残ったものを見に行くという順番になります。図面は「選ぶための道具」ではなく、「行かなくていい物件を外すための道具」だと思ってください。
内見で実際に見る12か所は、こちらにまとめています。
▶ 内見で見るべきポイントは?札幌の不動産屋が「ここだけは見て」と伝えている12か所
よくあるご質問(間取り図の見方)
Q. 「1R」と「1K」は、何が違うのですか?
A. キッチンと居室の間に仕切り(扉)があるかどうかです。1Kは仕切りがあります。においと寒さの両方で、1Kのほうが暮らしやすいです。札幌では、冬にキッチンからの冷気を止められるのも利点になります。
Q. 図面の寸法は正確ですか?
A. 目安です。壁の芯から測っているか、内側から測っているかで数センチずれます。 冷蔵庫や洗濯機の置き場所は、内見時にメジャーで実測してください。
Q. ロフト付きは得ですか?
A. 収納としては便利ですが、ロフトは専有面積に含まれないことが多いです。「30㎡+ロフト」と「30㎡」では、居室の広さが同じです。また、暖かい空気が上にたまるので、札幌の冬はロフトが暑くなることがあります。
Q. 「2階以上」と図面に書いてありませんが、階数はどう分かりますか?
A. 図面ではなく、物件情報の「所在階」を見てください。同じ間取り図で、階だけ違う部屋を募集していることがよくあります。日当たりと暖かさは階によって変わります。
Q. 北向きは、やめたほうがいいですか?
A. 一概にはそうは言えません。窓がペアガラスか、樹脂サッシかで体感がまったく違います。 図面では分からないので、そこは聞いてください。家賃が抑えられるぶん、条件が合えばいい選択です。
Q. 図面を送ってもらうことはできますか?
A. できます。条件を教えていただければ、図面をLINEでお送りします。「この図面のここ、どういう意味ですか」というご質問も歓迎です。 記号の読み方だけのご相談でも構いません。
おわりに
間取り図は、慣れると本当に便利な道具です。
専有面積と収納の奥行き、部屋の形、そして札幌の記号。 この4つが読めるようになると、見に行く前にかなり絞れます。
でも、図面で分かるのはそこまでです。
窓を開けたときの音も、冬の日の入り方も、駅からの道の暗さも、図面には描かれていません。
だから、図面は「行かなくていい物件を外すため」に使ってください。 そして残った部屋を、実際に見に行きましょう。
「この図面、どう読めばいいですか」だけでも大丈夫です。
記号ひとつのご質問でも、遠慮なくどうぞ。まずはLINEから、気軽に話しかけてくださいね☺
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